当院での大腸カメラ検査について

大腸カメラ記事 内視鏡検査

近年、大腸がんと診断される方(罹患率)は増加しており、日本人が一生のうちに大腸がんと診断される確率は、男性10.3%、女性8.1%と言われています。

当院でも「血便が出た」「お腹の調子が悪い」「便が細い」「健診でひっかかった」などで大腸検査を行う方が多くいらっしゃいます。

大腸カメラの検査と聞くと、「つらそう」「痛そう」「お尻を見られるのが恥ずかしい」「病気が見つかるのが怖い」というご意見をよくお聞きします。

また、以前検査をされたことがある方からは「以前の検査が辛く、もうやりたくない」「下剤を飲むのがつらい」というお声もお聞きします。

当院ではなるべく楽に大腸カメラ検査を受けていただけるよう様々な工夫をしておりますので、今回は当院での大腸カメラ検査についてご説明したいと思います。

▪️前処置(下剤)

まず大腸カメラ検査を行うためには下剤を飲んでいただく必要があります。

下剤を飲まないで検査ができればいいのですが、大腸の中には便がありますので検査前に便をきれいに洗い流す必要があります。便が残っていない大腸=見落としの少ない検査につながりますので、下剤の服用は非常に重要であります。

当院ではなるべく少ない量での下剤内服で検査ができるように、サルプレップという下剤を主に使用しておりますが、味はレモン風味で他の下剤と比べて飲みやすいと言われています。

従来の下剤は1Lから2L程度の内服が必要でしたが、このサルプレップは1本480mL+水・お茶を飲んでいただき、便がきれいになっていなければサルプレップ+水・お茶を追加していくという方法になります。

また、通常は当日朝にサルプレップを服用していただいておりますが、前日夜・当日朝に分けて服用することもできる製剤(2日法)となっており、一度に大量に下剤を飲むことができない方などから好評です。

▪️鎮静剤(麻酔)

当院ではなるべく楽に検査を受けていただくために、鎮静剤(麻酔)の使用を積極的に行っております。効果は個人差がありますが、眠っている間に検査が終わる方もいますし、リラックス効果もあるので使用をお勧めしています。

▪️検査方法

大腸検査は検査を行う医師による差が大きく出る検査です。

通常、大腸はクネクネ曲がりくねっており、検査の際にはその曲がりくねった大腸を少しずつまっすぐにしながらカメラを入れていきます。まっすぐにする方法は大きく分けて2種類あり、「一度奥までカメラを押し進めてから腸をまっすぐにする方法(=ループ形成法)」と「少しずつ腸をまっすぐにしながらカメラを奥に進めていく方法(=軸保持短縮法)」があります。

ループ形成法は比較的簡単な挿入法ですが、腸が伸ばされるため患者様の苦痛が強くでる挿入方法であり、当院では基本的に軸保持短縮法での挿入を行っております。

また、大腸の中になるべく空気入れず水を溜めてカメラを挿入していく方法(=無送気水浸法)も組み合わせて検査を行なっており、最大限患者様の苦痛を取り除く努力をしています。

院長は消化器内視鏡学会指導医・専門医としてこれまで多くの大腸カメラ検査を行なってきました。特に以前勤務していた斗南病院では「他の病院で苦痛が強かった方」「以前カメラが奥まで入らなかった方」などのいわゆる挿入困難症例をメインで担当していたため、「こうすると痛みが出づらい」というポイントが分かっています。

しかしながら腸管の癒着や炎症などにより軸保持短縮法や無送気水浸法を使用しても痛みを強く感じてしまう方がいるのは事実です。そのような方には鎮静剤(麻酔)をしっかりと使い、なるべく苦痛を取り除けるよう配慮しております。

その他にも検査中の送気には炭酸ガスを使用し、検査後になるべくお腹が張らないようにしております。

▪️大腸ポリープ切除

検査中に大腸ポリープが見つかることがあります。

その際にはまず大腸ポリープをしっかりと観察し、切除すべきポリープかどうか判断します。

当院では原則clean colon(ポリープがない大腸にすること)を目指しておりますが、患者様と相談しながら柔軟に対応しています。

▪️検査後

鎮静剤を使った場合、ふらつきなどの症状が出る場合があり、検査後はリカバリーベッドで休んでいただいております。当日車の運転はできませんので公共交通機関の利用やご家族などの送り迎えをお願いいたします。

▪️さいごに

今回は大腸カメラについて説明いたしました。

検査ご希望の場合、下剤のお渡しなどがありますので、まずは診察予約を入れてください。

検査をするかどうか迷っている場合もまずは受診していただき、お話を聞かせていただければと思います。

📝 ご注意ください
大腸カメラは事前準備が必要なため、当日予約はできません
検査をご希望の方は、事前にご相談ください。

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